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2006年5月21日 (日)

『デザインのデザイン』

『デザインのデザイン』原研哉著・岩波書店

デザイナーに、こんな上手な文章を書かれると、ハッキリ言って困りもんです。どちらかというと、デザイナーはセンスはいいけれど、文章書くのはいまいち苦手、というのが相場なのに、『デザインのデザイン』の文章は、そこいらのもの書きが尻尾を巻いて逃げ出したくなるような、美しい文章。何度推敲を重ねたのだろうか、と感じるほど、論理的で冷静な文章である。「文章そのものまでデザインした」という批評は、陳腐すぎるかもしれませんが、まさにそういう感じでした。著者の原研哉さんは、日本デザインセンターの代表で、銀座MATUYAや無印良品のデザインをしているデザイン界の重鎮です。彼の活動の中でも、特に『リ・デザイン』は大変興味深いもので、「新しい時代は、知っているはずの日常が次々に未知化されるように現れてくる」という考え方のもと、いろいろな身の回りのものを、著名なクリエイターが『リ・デザイン』するという活動。笑ったのは(もちろん、お笑いでやっているわけじゃない)、建築家の隈研吾さんが、ゴキブリホイホイを『リ・デザイン』したもの。全体が「ロール状の粘着テープとしてデザインした」らしい。テープを必要な長さでカットして使う、「現代的なインテリアにも似合いそうな」ものだったようです。ゴキブリホイホイは、やや派手めな「家」なわけで、隈研吾さんは、その「家」がもつ構築的な意図を否定したかったのでしょうか?「モニュメンタルな(ハウス)を否定して、流動的な(チューブ)を選択」したということらしいです。『リ・デザイン』以外にも、『デザインのデザイン』には、原さんの仕事がたくさん紹介されているのですが、でもホント、デザインナーってカッコイイですよね。思いつきでできているようで、実は背景や考え方がしっかりある。原さんのように、デザインを思想として語れる人は、やっぱり、カッコイイなぁ。

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