『テレビCM崩壊』
『テレビCM崩壊(マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0』Joseph Jaffe著 織田浩一監修
読みました。広告関係著書では、今年最大の話題本になるかもしれない。広告業界にとって、『ウェブ進化論』以上のインパクトを与えること必至!!なにより、そのタイトルが扇情的!!こんなタイトルをつけられたら、広告関係者は手に取らないわけにはいかない。一刻も早く読んで、「崩壊どうよ?」と同僚と語るのが、広告業界でしばらく流行ることでしょう。多くの広告会社の儲けぶちで、数十年間、最大の広告メディアであり続けたテレビCMに対して、「お前はもう死んでいる!!」と言い放った本です。みんな薄々感じつつも、全体的には、「…とはいうけど、しばらくは…ねぇ…」って気分があったわけですが、「あーあ、言っちゃったよー」感100%の本です。アメリカで既に始まっている(日本でも)、テレビCMを使わない(あるいはインテグレーション)、いろいろな新しいマーケティング手法を紹介しています。単純に危機感を煽っているだけじゃなく、第2章以降で、新しい具体的手法を提示しています。「多くのマーケターは気づいていない」みたいに、「マーケター」相手に語っていますが、「マーケター」とは、もちろん「広告主」や「得意先」「宣伝部」という意味ですね。「マーケター」と表記してくれたおかげで、少し印象が和らいでいます。内容的には、ここんとこ広告業界で、さんざん語られてきたことなので、それほど目新しいわけではないけど、なにしろ決定版!!と言っていい。「ネット社会のコミュニケーション」は、トラディショナルメディア(もはやトラディショナル!!)の時代と大きく変わった。当然、広告コミュニケーションも、全く新しいやり方を模索しないといけません、と。事例に対するコメントも、「新しいことはなんでもGood!!」という姿勢ではなく、「新しいことでも、駄目なものはダメ」と、見る目も相当こなれてきているなぁと思いました。20数年間、テレビCMを作り続けてきたトラディショナル系からすれば、感傷的にもなるのですが、「もう死んでいる」って言われるとなぁ。まぁ、コレまでの広告づくりに固執しても、もはや環境が変わっちゃったんだからしょうがないよねっ。新しいもの好きの広告業界なんだから、さっさと新しい領域で新しいことしようよ!と、強がってみる。ひでぶっ!!
PS①:Ad innovatorによると、『テレビCM崩壊』の第一章が、PDFで読めるようになっているそうです。バイラルキャンペーンだそうです。さすがっ!
PS②:先日、サブタイトルを「広告が面白くなれば、この国は…」に変更したところ、「なんか共感できません。前のサブタイトルのほうが良かった」という声多数のため、以前のサブタイトルに近いものに、再変更いたします。サブタイトルなんてなんでもいいんだよっ、何度も変えんなよ、ウザイ!!はい。すみません。
PS③:「広告深夜族」のタイトルに(夜明けは近いよ)という語句をつけてみたところ、「深夜族ってそういうことだったんですか?!」という声しきり、でした。特に最初からそういった意味(夜明け前という意味)ではなかったのですが、(単に深夜に書いていただけ)ふと思い立ち、つけたしてみました。新しい広告コミュニケーション関係本の究極とも言える、『テレビCM崩壊』を読み終え、トラディショナル一筋20年(現在インテグレート系?)の僕としては、「だいたいのことはわかったから、あとは結果を出すのみ」という意味で、夜明けは近いっ!!
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