『グルメバトル』
『グルメバトル~前代未聞の飲食店評価~』JCオカザワ 友里征耶 グラフ社
辛口な飲食店の評価で有名な著者二人が、お店だけじゃなく、お互いの評価をも糾弾するという、場外乱闘っていうか、まさにグルメバトル!!それぞれに『絶対行ってはいけない有名店 行かなきゃいけない無名店』『シェフ、板長を斬る 悪口雑言集』という、有名店にとっては営業妨害以外の何ものでもない本を出していて、(2冊とも読んだけど、基本的に悪口って面白いもんね)お店だけじゃなく、昨今のフードジャーナリズムに関しても、実名まであげて、かなり辛辣に批判してた。もちろん、二人ともにペンネームでの活動だけど、お店によっては面が割れていて、入店を拒否されることもあるらしい。そんな二人が「共著」ではなく「競著」?(相手が何を書いているかは知らずに、勝手に書いた)で出したから面白い、という触れ込み。この本の中で、二人揃ってダメ出ししている「救いがたいこの一軒」という項目には、「ル・マンジュトゥ」「松下」「古拙」「てんぷらみかわ」「たいめいけん」「バードランド」といった、マスコミでは超有名な店が並んでいる。これらの店に行った事のある人は、「そう言われれば、思い当たるふしがある」と感じてしまうから、評価なんていかに曖昧に出来上がっているか、に気づかされる。評価が真っ二つに分かれたお店も多く、「ピアットスズキ」「カーサヴィニタリア」「芝欄」「鮨水谷」「天ぷら畑中」など、一方では高評価なのに、一方からはボロクソに書かれている。そんな中で、二人ともに高い評価をしている店があって、それが麻布十番の焼き鳥「世良田」。僕は行ったことがないが、評判は前から聞いていた。「ピアットスズキ」や沖縄料理の「ターチ」が入っているビル、というと分かるかもしれない。接待での利用が多いらしく、毎日予約で一杯だし、営業時間も夜9時ぐらいまでなので、僕らが飛び込みで入るのが難しい店だ。で、「世良田」と聞いて、「なんか聞いたことあるな」と感じる人も多いと思うんですけど、そう、田町の札の辻の交差点のそばに、「世良田」という同じ名前の店があるのだ。ほら、看板がかかってるの見たことあるでしょ。白い看板に筆文字で、わりと大きく。で、こないだ行ってみました。会社から歩いて2分。中は、カウンターとテーブル席が5つほど。店の人に聞いてみたら、麻布十番の「世良田」の息子さんがやっている店でした。「とりわさ」「とりの酒盗あえ」「サラダ」「焼き鳥各種」何を食べてもおいしかった。うちの会社が田町に移ってきて約10年。「食の不毛地帯」田町に、こんな名店があったとは!!と不明を悔やんだわけです。いろいろ聞いたら、基本的に麻布十番の「世良田」とは、焼き鳥に対する考え方や方法論が違うので、系列店じゃないですよ、と言っていた。まぁ、親子だからいろいろありますよね。でもほんとうまかったです。今度はお父さんのほうのお店にも行きたいですが、閉店が夜9時だと深夜族には難しいかも。
ps:machさんから、麻布十番「世良田」の閉店時間は23時ぐらいですよ、とのご指摘がありました。ありがとうございます。
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