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2006年10月

2006年10月28日 (土)

『グルメバトル』

『グルメバトル~前代未聞の飲食店評価~』JCオカザワ 友里征耶 グラフ社

辛口な飲食店の評価で有名な著者二人が、お店だけじゃなく、お互いの評価をも糾弾するという、場外乱闘っていうか、まさにグルメバトル!!それぞれに『絶対行ってはいけない有名店 行かなきゃいけない無名店』『シェフ、板長を斬る 悪口雑言集』という、有名店にとっては営業妨害以外の何ものでもない本を出していて、(2冊とも読んだけど、基本的に悪口って面白いもんね)お店だけじゃなく、昨今のフードジャーナリズムに関しても、実名まであげて、かなり辛辣に批判してた。もちろん、二人ともにペンネームでの活動だけど、お店によっては面が割れていて、入店を拒否されることもあるらしい。そんな二人が「共著」ではなく「競著」?(相手が何を書いているかは知らずに、勝手に書いた)で出したから面白い、という触れ込み。この本の中で、二人揃ってダメ出ししている「救いがたいこの一軒」という項目には、「ル・マンジュトゥ」「松下」「古拙」「てんぷらみかわ」「たいめいけん」「バードランド」といった、マスコミでは超有名な店が並んでいる。これらの店に行った事のある人は、「そう言われれば、思い当たるふしがある」と感じてしまうから、評価なんていかに曖昧に出来上がっているか、に気づかされる。評価が真っ二つに分かれたお店も多く、「ピアットスズキ」「カーサヴィニタリア」「芝欄」「鮨水谷」「天ぷら畑中」など、一方では高評価なのに、一方からはボロクソに書かれている。そんな中で、二人ともに高い評価をしている店があって、それが麻布十番の焼き鳥「世良田」。僕は行ったことがないが、評判は前から聞いていた。「ピアットスズキ」や沖縄料理の「ターチ」が入っているビル、というと分かるかもしれない。接待での利用が多いらしく、毎日予約で一杯だし、営業時間も夜9時ぐらいまでなので、僕らが飛び込みで入るのが難しい店だ。で、「世良田」と聞いて、「なんか聞いたことあるな」と感じる人も多いと思うんですけど、そう、田町の札の辻の交差点のそばに、「世良田」という同じ名前の店があるのだ。ほら、看板がかかってるの見たことあるでしょ。白い看板に筆文字で、わりと大きく。で、こないだ行ってみました。会社から歩いて2分。中は、カウンターとテーブル席が5つほど。店の人に聞いてみたら、麻布十番の「世良田」の息子さんがやっている店でした。「とりわさ」「とりの酒盗あえ」「サラダ」「焼き鳥各種」何を食べてもおいしかった。うちの会社が田町に移ってきて約10年。「食の不毛地帯」田町に、こんな名店があったとは!!と不明を悔やんだわけです。いろいろ聞いたら、基本的に麻布十番の「世良田」とは、焼き鳥に対する考え方や方法論が違うので、系列店じゃないですよ、と言っていた。まぁ、親子だからいろいろありますよね。でもほんとうまかったです。今度はお父さんのほうのお店にも行きたいですが、閉店が夜9時だと深夜族には難しいかも。

ps:machさんから、麻布十番「世良田」の閉店時間は23時ぐらいですよ、とのご指摘がありました。ありがとうございます。

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2006年10月22日 (日)

中村俊輔の進化

セルティックの中村俊輔の調子がいい。先週のリーグ戦でハットトリック!!昨日のリーグ戦で2得点に絡んだ。まぁ、スコットランドリーグなので、相手が下位だとJリーグレベルのこともあるから、リーグ戦で活躍!!っていってもなぁって思っていたが、水曜日のチャンピオンズリーグ、ベンフィカ戦の俊輔はすごくよかった。(3-0でセルティック勝利!!)昔の俊輔って、トップ下なのに大事なときに中盤に下がってて、「ゴールから遠いところにいる選手」ってイメージだったけれど、今はチャンスの時、ペナルティエリア内に必ずいる。前みたいに、中盤でフラフラしながらスルーパスをする機会をうかがう感じではなく、シンプルにパスを出した後(ほとんどワンタッチ!)、スルスルっとゴール前に飛び出してくるのだ。「ハットトリック!!」も「2得点に絡む活躍!!」も、きっとこうしたプレースタイルの変化が生み出したものだ。でもほんとに中村俊輔って偉いよね。彼のような線の細い選手が、密集から離れてプレーしたいのは当然だし、中村俊輔という選手はそういうもんだ、と誰しもが思っていた。でも、彼自身がそこに満足していないんだな。そこが偉い。(オシムのサッカーに、プレースタイルを合わせたのかもしれないけれど、そうまでしても代表に呼ばれたいんだよ。日の丸つけてサッカーしたいんだよね。こないだ、サッカー番組で、「30歳超えてワールドカップでる選手はたくさんいるわけで、4年後について、自分は全く諦めていない」って言っていたけれど、まさに本心だと思う)ここで、いきなり自分の仕事、クリエイティブのことに話を持っていっちゃうんですが、そういうことってあるよね。「自分は、こういったタイプだから、こっち系が得意で、こっち系が不得意」って勝手に決めつけて、自分の可能性を狭めること。得意と思っていたことが、他の人がもっと得意だったり、不得意だと思っていたことが、意外とそうじゃなかったり。食わず嫌いしないで、何でもどんどんやってみれば、自分の可能性は広がっていくし、強くなれる、なんてことを、中村俊輔の試合(録画)を観ながら考えたりした日曜日。

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2006年10月20日 (金)

『名もなき毒』『勝手に広告』

『名もなき毒』宮部みゆき 幻冬舎

宮部みゆきさんの本を初めて読みました。なんか、もっと難しい内容なのかなぁ、(なんでそう感じていたんだろ?装丁の感じとか?)と、勝手に想像して敬遠していたのですが、読んだらそんなでもなかった。世の中に浸潤している、いろいろな「毒」をテーマに、サスペンス?調に仕上げた内容です。無差別殺人に使われた「毒」、普通のOLさんの奥に潜む「毒」、建築資材や土壌汚染などの社会「毒」が、ストーリーの中に複雑に入り込んでいる。さすが売れっ子作家の注目本だけあって、一気に読ませられました。でも、テーマがテーマだけに、読み終わってちょびっと気持ち悪くなりました(毒)。

『勝手に広告』中村至男+佐藤雅彦 マガジンハウス

『勝手に広告』の名前のとおり、オリエンなしに広告を作っちゃった、ということなんですが、この本全体が「作品」として存在している場合、「広告」って何?と言うややこしい話にもなってくる。商品らしきものがバーンとあれば、それはそれで「広告」的なものだけれど、それだけじゃないなぁ。根っからの広告屋さんである、中村至男さんと佐藤雅彦さんたちに染み付いた「商品に対するポジティブな感覚」こそ、「広告的」なものなのだなぁ、と感じた。まさに、「毒がない」。「毒がない」って、素敵なことだと思った。

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2006年10月16日 (月)

ガクのこと

水曜日の朝、8年半一緒に暮らしていたゴールデンレトリバーのガクが永眠しました。死因は脳腫瘍で、7月半ばに体に変調をきたしてから、3ヶ月ほどで逝ってしまいました。夏ごろ「なんか変だな」と思ったのは、散歩中に止まって動かなくなったことです。「自分が行きたい方向(道)を、主張しているのかな?」とか、「まぁ、犬の8歳といえば、人間で50歳から60歳だしね。頑固になっちゃったのかも」と思ったのですが、単純な老化現象でもなさそうだった。散歩中、以前より呼吸が速く、なんか苦しそうなんです。獣医さんにみせると、「腰の骨に痛みがでて歩けないのでは」という所見でした。「老犬は、こういった病気と一緒に生きていかなければ」と言うことだったのですが、しかし、ガクの変調は散歩中だけでなく、家の中でもおきてきた。壁に向かって動かなくなっちゃったり、長時間座らないし、寝ない。そのうち、「クーン、クーン」と、苦しそうに鳴くようになったのです。「なんかおかしい」といことで、獣医を変えて診てもらったところ、「MRI」を撮ることになり、その日のうちに、脳下垂体に悪性の腫瘍が見つかった。しかも場所が悪く、手術しても回復する可能性は限りなく0%に近く、手術することで死期が早まる可能性が高いという。僕らは悩み、獣医さんとも相談し、ステロイド剤で病状をできるだけ押さえ、あとはガクの生命力に任せることにしました。3ヶ月の間、ガクは一生懸命生きようとしていましたが、それ以上に病気の進行は早く、37kgほどあった体重も、27kgほどに減っていました。先週あたりからは、全身の筋肉が落ち、体を支えることも難しい状態になっていました。そして、火曜日の深夜に帰宅し、ガクの様子をみると明らかに具合が悪く、呼吸も弱い。あ、もう長くないな、と思った僕は、朝までガクのそばで一緒に寝ました。朝6時半ごろ起きると、ガクの呼吸はほとんど弱まっていて、心臓の鼓動もか弱い状態でした。家族がみんな起きてきて、口々に名前を呼ぶ中で、ガクは静かに逝きました。本当に静かに、文字通り眠るような最後でした。10月11日(水)6時56分。まるで家族が起きてくるのを待っていたかのようにして、みんなに囲まれて逝きました。

ガクは本当に賢い犬でした。目と目の間に、縦に毛の筋が入っていて、調教師さんに言わせると、これは「ボス犬」の印、ということでした。調教中、一斉に餌の時間になるのですが、「ガクは、子犬なんかが餌を食べ終わるまで待っていて、みんなが食べ終わってから食べた」と、調教師さんが言っていました。僕は、その話が本当に誇らしかった。大型犬はみんなそうなのかもしれないけれど、ガクは、他者をいたわるココロのある犬であったことは確かです。調教中も、(自分がねむくても)子犬とずっと遊んであげていた、と言います。家族で散歩していても、子供たちのことを気にして(守ろうとして)、子供たちの居場所を確認しながら、散歩する。そんなことしながら散歩しても、つまらないだろうに。自分がしたいことをすればいいのに。僕なんかはそう思うのですが、ガクは死ぬまでずっとそうでした。人間だって、自分より相手のことを考えるのは、すごく難しいことです。でも、「自分よりも相手のことを考える」ガクの行動や気持ちが、少なくとも我が家の子供たちにとって、大きな影響を与えてくれたと思います。僕ら家族はガクから、本当に大きな贈り物をもらったと思っています。

今日、府中市の慈恵院で、ガクと最後の別れをしてきました。

(水曜日、木曜日と急遽休みを取ってしまい、みなさんに大変ご迷惑をおかけし、本当に申し訳ありませんでした。今週から頑張ります。)

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