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2006年11月12日 (日)

『感動をつくれますか?』

『感動をつくれますか?』久石譲 角川新書

宮崎駿監督や北野武監督の映画音楽、サントリー伊右衛門のCMソングなど作っている作曲家、久石譲氏が「ものをつくること」について書いた本です。作曲家と聞くと、音楽の素養の全くない僕からすると、昔のクラシック音楽の作曲家のイメージが強くて、すぐ「天才」という言葉を想起してしまうのですが、この本を読んで感じる久石譲さんの人物像は、天才型というより、努力家、論理的な方のように見受けられます。あるラジオ番組中に、養老孟司先生から「音楽家の人は、論理的思考をする人が多いんだけれど、久石さんはほんとまともだねぇ」って言われたというエピソードも、紹介しています。音楽を作るうえで、人はよく「感性」という言葉を使うけれど、実際「感性」とはなんなのか?と。ちょっと長いですが引用。「作家として、いつも自分で新しい発想をして、自分の力で創作しているという意識でやっている。しかし、実際には、僕が作る曲は、僕の過去の経験、知識、今までに出会い聴いてきた音楽、作曲家としてやってくることで手に入った方法、考えたこと、それらの蓄積などが基になって生まれてくるものだ。さまざまな形で自分の中に培われてきたものがあるからこそ、今のような創作活動ができるわけだ。(中略)作曲には、論理的な思考と、感覚的なひらめきを要する。論理的な思考の基になるものが、自分の中にある知識や経験などの集積だ。何を学び、何を体験して自分の血肉としてきたかが、論理性の根本になる。感性の95%ぐらいは、実はこれなのではないだろうか。(中略)自分の勉強不足を感じて、もっといろんなことを見たり聴いたり吸収して経験知を蓄えなければいけない、と痛感しているときにはそちらの比重が増して、99%くらいは蓄積がものをいうんじゃないか、と思う」と語っています。久石さんですら、こうなのですから、僕らは彼の何倍も勉強し、経験を深めないといけないわけなんですが、なかなかねぇ、時間がないのを言い訳にはしたくないのですが…。

そういえば最近、広告という「ものづくり」について、話す機会が減っている。広告業界は今、メディアの変化にばかり注目が集まっていて、「ものづくりとしての広告」についての議論がやや少ない気がする。もちろん、広告がコミュニケーションの変化を無視して議論されることは無意味だが、もっと「ものづくり」視点での議論もしたいと思うので、とりあえず、わがチームは『感動をつくれますか?』を読んでおくこと。(業務命令)

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