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2006年12月 3日 (日)

自分が観たいCM

昔ね、CMつくってた先輩たちによく言われた言葉があって、それが「自分が観たいCMを企画しなさい」という言葉。今でも、演出家の人とかは、後輩に言ったりするのだろうけれど、広告会社のクリエイティブの現場では、ほとんど言われなくなったのではないか。どちらかといえば、「自分の個性を出すためには、自分の気持ちを正直に出す(=観たいものを企画する)ことが重要」みたいな文脈で語られていた。はっきり言って、広告会社のクリエイティブの現状で、「自分が観たいCMを企画しなさい」って言っても、「おっちゃん!何言ってるの?」って気持ちにさせるのがオチだろう。TVCMの15秒30秒では、ブランドの言い分を伝えるのに精一杯で、「自分が観たい」なんていう部分は、1%も入れられないのではないだろうか。一方で、長尺のブランデッド・ムービーがけっこう注目されていて、そういった場合は「自分でやりたいもの、観たいもの」が、少しはできる。でも、Webでしか見れないものは、YouTubeなんかですごい話題にならない限り、所詮影響力は限定的で、「広告効果」という点ではいかがなものか、となる。で、最近思うのは、15秒30秒のCMを諦めるのではなく、むしろCMを作っていく上で、「自分が観たい」という意味を、もう一度考え直してみてはどうか、ということ。前提として、「自分が観たい」とはもちろん「自分の独自性」「アーティステックな個」を、CMにどう入れ込めるかという話ではない。広告クリエイティブのプロとしては、「自分が観たい」とは、「世の中が観たい」と同義語であるべきではないか。世の中にある、まだ顕在化も言語化もされていないけれど、確かに存在するムード、気分をつかみ、自分自身の中にどう取り込んでいくか。(世の中の気分=自分の気分)であるクリエイターは強い。しかし誰しもが、平均的に生活しているわけでなく(ある意味偏った経験をしているからこそ、クリエイティブできるわけだが)、だからこそ、世の中の本当の気分(リアル・インサイト)をどうつかむかが、これから最も重要なのではないか。ストプラの人が定量調査やグルインでまとめた報告書を、そのまま鵜呑みにして→クリエイティブしてないか。面倒くさがらず、調査にもっとクリエイティブの人が出て行っていいのではないか。クリエイティブ視点でのインサイト抽出方法を、生み出す必要があるかもしれない。「生活者主導社会」という言葉がある。ネットの登場で、生活者と企業との関係が変わった、コミュニケーションの仕組みが変わった、ということなんだけれど、これからの広告のあり方を考える上で、自由と優位性を持った生活者のインサイトと、クリエイティブとの関係を見直す作業が、けっこう重要なのではないかと思ったりするのです。

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コメント

同感です。最近、はたと手を止めてみるCMがほとんどなくて、どうでもいいようなCMが多いなぁと思っていました。
作り手がワクワクするような企画は、きっと見ているこちら側の人間も「ワクワク」するのだと思います。
調査は調査、クリエイティブはクリエイティブっていう線引きは、チグハグな広告かイヤミな広告になってしまうような気がします。もっと、みんなが自分の直感を信じつつ、世の中の流れに貪欲になればいいなぁと思います。って、これがけっこう難しいのかな?
私は広告に踊らされるのが大好き!広告見て、勝手に自分の都合のよいように妄想して、商品を買ってしまうタイプです。買った後に「あ~だまされたなぁ」って思うことも多々あるけれど、決して「もう二度とだまされないぞ」と思うのではなく、「うまく、やられた気持ちいいぞ!」と思います。
うまい具合に躍らせてくれるCM、見たいです。

投稿: おしらちん | 2006年12月 4日 (月) 午後 12時08分

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