『不機嫌な職場』『ひらがな思考術』
この数週間、なんだか忙しかったぁ…3週間ぶりの更新です。4月末に赤坂へ引っ越して、気分的にも舞い上がって、赤坂だ!ワーイ!なんて新しい店なんかにも行って、大きなプレゼンも何本か抱え、ゴールデンウィークは家族で実家へ帰って、法事行って、入院してる親戚の見舞いに行って、そうそう大腸の内視鏡検診もしたし(痛かったぁ、でも、無事でした)、本を読んだりする時間はあったけれど、ブログまでは書けなかった…って感じです。
『不機嫌な職場』講談社現代新書
まず、本のタイトルがいいですね。そして、サブタイトルが「なぜ社員同士で協力できないのか」。うちの職場は、かなり「上機嫌な職場」な方だと思うし(笑)、「社員同士で協力し合ってる」方だとも思うのだけれど、確かにこのタイトルを見てドキッとしたし、思わず買ってしまった。90年後半以降の成果主義がもたらしたものが、「一人ひとりが利己的で、断絶的で、冷めた関係性が蔓延している」職場であるとするこの本の指摘を、否定できる経営者はいないのではないか。
僕はこの本を、広告クリエイティブという仕事に置き換えて読んだのだけれど、広告クリエイティブという仕事は、もともと専門性が高く、守秘義務が厳しい仕事なんですね。社員同士、もしくはマネージャーとのコミュニケーションを密にしないと、何をやっているのか見えなくなる、つまり「タコツボ化」しやすい職場なんです。そこに「成果主義」が導入されたことで、「タコツボ化」はますます進んだ。「自分なりの結果を出しさえすればいいんでしょう?どうやるかは勝手でしょう?」という、「自分だけ」意識を生んだことは否めないと思う。社員同士挨拶もしないし、それ以前にまず席にいない。会うのは打ち合わせの時だけ、というような状況も生んだ。これだったら、会社辞めても、状況は変わんないじゃん、みたいな気分にもなった。スタッフ同士がアイディアをぶつけ合って、より高度なアイディアに昇華させていく。チーム全体で大きなアイディアを提案することが、僕らの仕事の本質なのに…一部の個人だけにスポットがあたるから、スポットがあたらないスタッフは、不平と不満と不安を持つ…。
変えなきゃね。広告クリエイティブには新しい評価軸が求められている。新しい意識、新しい働き方、新しいマネージメント、新しい組織、新しい育成…いろんなことが、求められている。
『ひらがな思考術』関沢英彦 ポプラ社
引越しの最中に、ある会社の上司の本棚で発見し、「あ、この本読みたかった。くださいよ。」と言ったところ、「アンダーラインが引いてあって、恥ずかしいからダメ」と断られた。でも、後日わざわざ新品をくれたんですー。いい上司、いい職場。
思考するための、いろいろな方法論を紹介してくれていますが、なかでも、「ひらがなで考え、感じ、あらわすことで、見えなかったことが見えてくる」というこの本の主張に、僕ははげしく共感いたしました。
最近会話の中に、カタカナ語(英語)が多すぎやしませんか!と。昔、会話で難しい英語が使われると、「それ、どうゆう意味?」っていちいち聞いていたのですが、最近は、日常会話に英語が多すぎて、もういちいち聞くのも面倒になり、わかったふりして聞き流すことが増えた。助詞や接続詞意外はすべて英語で、「だったらもう、僕のことは気にしなくていいから、全部英語で話してよ!」なんて、僕はよく半泣き状態になっています(笑)。
話が本筋からズレましたが、この「わかったふりして」が非常に危ない、と。英語も、難しい漢字もそうなんですが、なんとなくこういった意味だろうと解釈して思考を進めると、最終的に、なんだか全体がわかんなくなる。みんな「わかったような」気分にはなるが、実は全然わかってなくて、結局なにをしていいかわからない、とかね。
最近は減ったけれど、マーケの企画書も難しい漢字と外来語が多すぎて、意味がつかめない、ってことありました。「意味」よりも、企画書の「密度」を重んじる、みたいな(笑)。
でも、いいこと思いつきますね。「ひらがな」ね。この本が出たのは2005年。日本や日本語がブームになったりしたのも、この時期からでしたっけ?今も続いていますもんね。
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