阿佐ヶ谷「鳥○」
阿佐ヶ谷の「鳥○」(あえて伏字にさせてもらいます)は素晴らしいお店です。阿佐ヶ谷に住んで10年以上になるけれど、こんなにいいお店なら、もっと早く行けばよかったと。引っ越した当時に教えてもらったんだけど、いつも休業しているイメージがあって、なかなか暖簾をくぐれなかった。実際ここ2年ぐらいは、ご主人が病気で店を休んでいたことも多かったといいます。開店して35年以上たっていて、開店した当時は、阿佐ヶ谷の駅が高架の工事中で、もっと高円寺側に改札口があった、と教えてくれました。間口が一軒ぐらいの狭い店で、カウンターが7~8席。奥に小上がりがあるけれど、全体でも15人ぐらい入ればいっぱいかなぁ。その当時は、阿佐ヶ谷の飲み屋は多くは間口が一間ぐらいで、戦後のバラック建ての面影が残っていたといいます。
「鳥○」の焼き鳥は、なかなか他では食べられません。僕の好みで言えば、ゆずつくね、にらつくね、砂肝、皮、血肝、手羽先、肉ピーマンあたりかな。他にもいろいろなおつまみがあって、それがいちいちおいしい。お酒は、熱燗、冷ともに銘柄は一種類。趣味で言えば、純米酒や純米吟醸なんかも置いて欲しいんだけど、長い年月、その一種類でこと足りていたのでしょう。新参者の僕が何か言うべきところじゃない。他に樽酒、ワインや焼酎もある。ぐい飲みのような器にお酒を注いでくれるんだけど、ご主人のその注ぎっぷりが神業。お酒がぐい飲みからはみ出している状態(笑)。表面張力なんてものを超えた、神秘の世界ですな。口をぐい飲みに近づけて飲む以外に、方法はないんです。
そして、この「鳥○」が僕にとって大事なお店になったのは、昔うちの会社のクリエイティブの大先輩たちのたまり場だったからなんです。ご主人が懐かしそうに語ってくれたのですが、もう20数年前、会社の大先輩たちが、遅ーい時間に大勢で来たそうです。けっこう飲んで来ているらしく、最初からハイテンション。いろいろ面白い話をする人たちで、最初はどんな職業の人たちか、想像できなかったと言います。カラオケが流行りだした時代で、店が引けてから、ご主人も大先輩たちに誘われて、他の店にカラオケを歌いに行ったり、何故か六本木まで連れて行かれたこともある、とおっしゃっていました。
その先輩たちの名前を聞くと、僕が入社した当時に役員などをしていた方々ばかり。ご主人から聞く大先輩たちの話は、その当時の会社やクリエイティブの様子がいきいきと感じられて、なんだか嬉しくなりました。僕が入社した20数年前、今で言うOJT先のCDだった方がその中心人物で、もう10年ほど前に亡くなられましたが、若いクリエイティブを連れて、よく飲みに来ていたといいます。
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